ゴルフは筋トレで飛距離アップ!必要な筋肉と効率的な鍛え方を解説
「ゴルフの飛距離をアップさせたい」
「飛距離を伸ばすのに必要な筋肉がわからない」
「どのような筋トレをすれば、効率よく鍛えられるのか知りたい」
ゴルフのスコアを伸ばすには、ヘッドスピードを上げたり、スイングしたときの体のブレを防いだりすることが大切です。
やみくもに筋トレをしても、必要な筋肉に作用していなければ効果は上がりません。
本記事では、ゴルフに必要な筋肉や、飛距離を伸ばす効率的な筋肉のトレーニング方法を紹介します。
ゴルフは筋トレで飛距離アップする
ゴルフの飛距離を伸ばしたいなら、スイングに必要な筋肉を強化できる筋トレが有効です。
飛距離を伸ばすには、ボールが飛び出す速度(初速)を高めることが大切です。
そのためには、ヘッドスピードを上げる瞬発力が重要になります。
しかし、ヘッドスピードだけが速くても、ボールの芯をしっかりと捉えていなければ、力が最大限に発揮されず、飛距離は伸びません。
ボールの上や下に力が加わるとスピンがかかり、風の抵抗が強くなります。
飛距離を伸ばすには、瞬発力の向上や正しい姿勢でスイングできるよう、必要な部分の筋肉を筋トレで鍛えることが大切です。
ゴルフに必要な筋肉
ゴルフのスコアを良くしたい場合は、以下の筋肉を鍛えると、瞬発力や正しい姿勢でスイングする力などが強化でき、飛距離を伸ばしやすくなります。
- インナーマッスル
- 三頭筋
- 内転筋
- 広背筋
筋肉の簡単な説明に加え、飛距離が伸ばせる理由も説明します。
インナーマッスル
インナーマッスル(体幹)は体の深層部にあり、細かな動きや安定性を調整する筋肉です。
体幹が弱いと、上半身を捻転(下半身はそのままで上半身のみ捻じる)させたときに体が動いて軸がブレやすくなります。
軸がブレると、ボールが横に反れたり上に舞い上がったりして、飛距離は伸びません。
しかし、体幹を鍛えれば、体の軸がブレずにスイングが安定しやすくなるため、ボールの芯にしっかりクラブヘッドが当たり、飛距離が伸びやすくなります。
三頭筋
上腕三頭筋は、二の腕に当たる部分で、肘を伸ばす働きをする筋肉です。
肘がうまく伸びないと、糸の短いでんでん太鼓のように、スイングは弱くなります。
しかし、筋肉をつけて肘がしっかり伸びるようになれば、スイングしたときにボールを押し出す力が強くなるため、ヘッドスピードが上がり、飛距離をより伸ばせるようになります。
内転筋
内転筋は、股関節の付け根から太ももの内側や膝の内側にかけてある筋肉で、足を閉じる働きを持ちます。
内転筋が鍛えられていると前傾姿勢のときに自然に膝が内側に入るので、スイングをしても体幹がブレにくくなり、地面を蹴る力も強くなります。
蹴る力が強くなるほど地面反射(蹴った力と同じ力が返ってくる)も大きくなるため、クラブからボールへ伝わる力も高まり、飛距離を伸ばせるようになりやすいのです。
広背筋
広背筋は、背中の中央から脇の下や腕、腰にかけて広がっている筋肉で、スイングをしたときに遠心力で体が引っ張られるのを防ぐことができます。
前傾姿勢からスイングしたときに上体が持ち上がり、体がブレやすくなるのは、広背筋の引っ張る力が弱いからです。
広背筋を鍛えれば、スイングしたときも上体が起き上がらず体の軸を安定させて捻転できるので、ボールの芯をしっかり捉えて打てるようになり、飛距離を伸ばせます。
ゴルフに筋トレが必要ないと言われる理由
ゴルフに筋トレが必要ないと言われる理由は、正しいスイングでボールを打てば、ある程度までは飛距離を伸ばせるようになるからです。
また、女子プロの方がアマチュアの男性ゴルファーよりも筋力が少なそうなのに、飛距離があることも理由として挙げられます。
しかし、ゴルフは、正しい姿勢を保ってスイングしなければ、いずれ飛距離は伸びなくなります。
飛距離が伸びず悩んでいるなら、正しいスイングや姿勢ができるように、ゴルフに必要な筋肉を鍛えるのが効果的です。
筋肉を鍛えれば、飛距離を伸ばせるようになります。18ホール回っても正しい姿勢のままスイングできるようになるので、伸びた飛距離を維持することも可能です。
ゴルフのための筋トレの注意点
ゴルフのために筋トレをする場合、やみくもに行うと逆に飛距離が伸びなくなるケースがあります。
そのため、筋トレを始める前に以下の点に注意してください。
- 鍛えすぎてはいけない筋肉もある
- 無理はしない
間違った筋トレをして、飛距離を伸ばすまでの時間を無駄にしないようにしましょう。
鍛えすぎてはいけない筋肉もある
ゴルフには、胸筋や腕力(上腕二頭筋)など、鍛えすぎると飛距離が伸びにくくなる筋肉があるので、注意が必要です。
たとえば、胸筋をつけすぎると、筋肉が邪魔をして体が捻転しにくくなります。腕力をつけすぎると、巻き肩になり、肩の筋肉が固まりやすくなります。
飛距離を伸ばすには、スイングしたときに捻転しやすく、体の軸をブラさずボールを打てるような筋肉が必要です。
胸筋や腕力を鍛えすぎると飛距離が伸びない原因になるので、注意してください。
無理はしない
飛距離を伸ばしたいからといって、無理して筋トレをしてはいけません。
無理をすれば、けがをしたり筋肉強化の妨げになったりする場合もあります。過度な筋トレを行い、継続するのが億劫になるケースもあります。
筋肉の強化には、筋トレで損傷した筋線維の修復の繰り返しが必要です。
しかし、筋線維が修復し終わる前に筋トレを行うと、筋肉は強化されないまま損傷を繰り返します。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、筋肉の修復にかかる時間は2日~3日です。
また、筋肉を鍛えるには、個人差はあるものの「3か月ほど継続して筋トレをするのが効果的」と言われています。
そのため、無理をせず休息期間を設けながら3か月継続したほうが、短時間で効率よく筋力を鍛えられます。
ゴルフに必要な筋肉を鍛えるトレーニング方法
鍛えすぎてはいけない筋肉や筋トレの注意点がわかったところで、ゴルフに必要な筋肉を鍛えるトレーニングを紹介します。
- ランジウォーク
- マウンテンクライマー
- ベントオーバーロウ
- ツイスト
- プランク
- シットアップ
- 懸垂
- ジャンピングジャック
- スクワット
一度にすべて行うのではなく、強化したい部分や、できそうな筋トレから試してみてください。強化したい部分を曜日で分けるのもおすすめです。
なお、筋トレをする際のインターバルは1分から3分を目安とし、翌日に疲労が残らない範囲で行うのが効果的です。
ランジウォーク
ランジウォークは、大殿筋と太ももの前後の筋肉を強化する筋トレです。スイングしたときの体の軸を保てるようになるだけでなく、スムーズな体重移動で飛距離も伸ばせます。
ラウンジウォークのやり方は、以下のとおりです。
- 歩くように、片方の足を大きめに一歩前へ踏み出す
- お尻で勢いを受け止めつつ、上体を落として後ろ足の膝を床に近づける
- 両膝が90度になるまで曲げたら、上体を元に戻す
- 左右10回行う
けがをしないようにするため、膝はかかとよりも前に出ないように曲げてください。
足を曲げるときは、背中が丸まらないように前を向いて胸を張ると、効果の半減を防げます。
バランスが取りにくいときは、壁の横に立ち、片手をついて行うと安定しやすくなります。
骨盤は前を向いたまま、1の動作で後ろ足の延長線上に前足を持ってくると内転筋にも効くので、慣れてきたら試してみてください。
マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは、大殿筋や体幹を鍛える筋トレです。上半身と下半身の連動をスムーズにして、体全体の力を使って安定したスイングを打てるようになります。
マウンテンクライマーのやり方は、以下のとおりです。
- 両腕は肩の真下で床に置き、両足は肩幅に開いて腕立て伏せの姿勢を取る
- 顔は斜め前を向き、お腹に力を入れて肩から足までが一直線になるようにする
- お尻は肩より上がらないようにし、走るように片足ずつ膝を胸に引き寄せる
- 左右10回行う
初めは片足ずつゆっくりで大丈夫です。慣れてきたら、走るようにテンポよく交互に動かしてみてください。
つま先で蹴って膝を引き寄せるときに、上半身がブレないよう心がけると、より効果が高まります。
ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウは、広背筋を鍛えるトレーニングです。姿勢が安定しやすくなり、スイングするときの体の捻転がスムーズになります。
ベントオーバーロウのやり方は、以下のとおりです。
- 両手にダンベルを持ち、足は肩幅に開く
- 背中を寄せ、45度の前傾姿勢でお尻を突き出す
- 膝を軽く曲げ、重心はかかとに置く
- 背中を寄せるイメージで、ダンベルを膝から太ももの上を滑らせるように持ち上げる
- 10回行う
ダンベルをみぞおちに近づけて持ち上げると、広背筋ではなく、僧帽筋(背中の上の方の筋肉)に働いてしまいます。
スイングするときに体がブレにくくするには広背筋を鍛えることが大切なので、持ち上げる位置に注意して行ってください。
ツイスト
ツイストは、体を捻る動作に必要な腹斜筋を鍛える筋トレです。
体幹が鍛えられ、スイングをするときに体の軸がブレにくくなるので、ボールの芯をしっかり捉えて打てるようになります。
ツイストのやり方は、以下のとおりです。
- 両足を肩幅に開き、ゴルフクラブを横向きにして両手で持つ
- 正面を向いたまま、上半身のみを左右に捻る
- 左右交互に10回ずつ行う
下半身と顔は正面を向いたまま、上半身だけを捻るように意識してください。
腹斜筋が鍛えられ、ゴルフの飛距離を伸ばすのに必要な捻転ができるようになります。
プランク
プランクも、体幹を鍛えるのに最適なトレーニングです。
プランクのやり方は、以下のとおりです。
- うつ伏せになる
- 肘は肩の真下に置き、拳の小指側を下にして体と平行になるように前腕全体を床につける
- 両足は肩幅に開き、腰を浮かせてつま先立ちをする
- 顔は斜め前を向き、お腹に力を入れて、肩から足先まで一直線になるようにする
- 20秒から30秒姿勢を保ち、3セット行う
両腕と肩、足首と足は、それぞれ90度になるように姿勢をキープします。体は腕で支えるのではなく、腹筋を意識するのがコツです。
慣れてきたら、両足を揃えると難易度が上がり、より筋肉に負荷をかけられます。
シットアップ
シットアップは、腹筋を鍛える筋トレです。前傾姿勢を取っても体の軸がブレにくくなり、スイングが安定してボールを押し出したときの威力が高まります。
シットアップのやり方は、以下のとおりです。
- 両足は床につけ、膝を90度に曲げて仰向けに寝る
- 両手を頭の後ろで組み、おへそを覗き込むように床からゆっくりと上体を起こす
- 上体を約80度まで起こしたら、ゆっくりと体を戻す
- 10回行う
上体を起こすのが難しければ、両手を胸の前で組むと起き上がりやすくなります。
懸垂
懸垂は、上腕三頭筋や広背筋を鍛える筋トレです。正しい姿勢のまま体の軸をブラさずにスイングできるようになるので、ヘッドスピードが上がり、飛距離を伸ばせます。
懸垂のやり方は、以下のとおりです。
- 両腕は肩幅より拳2つ分ほど広めにし、手の甲が顔側を向くようにしてバーを持つ
- 胸を張って首を伸ばし、肩甲骨を下げる
- 膝を後ろに曲げ、上体をゆっくり持ち上げる
- バーに顎が近づいたら、ゆっくりと上体を下に戻す
- 10回行う
親指でバーを掴むと、前腕への負荷がかかりやすくなります。
広背筋への効果が高まるよう、親指は外して握ってください。
ジャンピングジャック
ジャンピングジャックは、下半身や体幹を鍛えたり、体力を向上させたりする筋トレです。
前傾姿勢でスイングしても、体が持ち上がって姿勢が崩れないようになります。
ジャンピングジャックのやり方は、以下のとおりです。
- まっすぐに立つ
- 垂直にジャンプするときに両足を開き、両腕は体の横から真上に伸ばす
- もう一度ジャンプするときに開いた両足を閉じ、上げた両腕は下に戻す
- 20秒~30秒を3セット行う
ゴルフは4人1組で18ホール回るのに、約4時間かかります。
体力が消耗すると、スイングするときの正しい姿勢を保ちにくくなるため、手軽に有酸素運動ができるジャンピングジャックは有効です。
スクワット
スクワットは、大殿筋や太ももの前側の筋肉、広背筋を強化する筋トレです。
体幹や立ったときの姿勢を正しくキープできるようになり、地面を蹴る力も強まります。
スクワットのやり方は、以下のとおりです。
- 足を肩幅に開き、つま先は膝と同じ方向へ向ける
- 前を向き、両手は祈るように体の前で軽く握る
- 椅子に座るイメージで、お尻を後ろに引いて、膝が90度になるように曲げる
- ゆっくり体を元の姿勢に戻す
- 10回行う
スクワットをするとき、つま先よりも膝が前に出ると、本来強化したい筋肉を鍛えられません。
また、膝や腰を痛める原因にもなるので、注意してください。
もしも、お尻を後ろに引いたときに重心が後ろに下がり不安定になる場合は、両手を前に出してスクワットをすると安定しやすくなります。
ゴルフにはストレッチも効果的
筋肉を伸ばして、体の柔軟性を保つストレッチも、ゴルフの飛距離を伸ばすのに必要な運動です。
ストレッチでほぐれた筋肉の可動域が広がれば、スイングしたときに体が捻転しやすくなり、けがの予防にも役立ちます。
主なストレッチは、以下の2つです。
- ワイドプッシュアップ
- ダウンドッグ
- 上腕三頭筋のストレッチ
筋トレ後にストレッチをすると疲労回復効果もあるので、セットで行うのがおすすめです。
ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップは、上腕三頭筋と大胸筋を鍛える筋トレです。
肩甲骨の可動域が広がり、スイングしたときのスピードアップが期待できます。
ワイドプッシュアップのやり方は、以下のとおりです。
- うつ伏せになる
- 両腕は肩幅よりも広めに開いて床に置く
- 両足は少し開き、つま先で立つ
- 肩から足まで一直線になるよう姿勢をキープしつつ、両腕を曲げる
- 腕が90度になるように体を床ギリギリまで沈めたら、上体を起こす
- 10回行う
プッシュアップ(通常の腕立て伏せ)よりも難易度が高いため、慣れるまでは足を伸ばした際に膝をついて行っても構いません。
ダウンドッグ
ダウンドッグは、ヨガのポーズで、大殿筋や太ももの後ろ(ハムストリングス)、背筋など、全身のストレッチ効果があります。
ダウンドッグのやり方は、以下のとおりです。
- 立った状態から両手を前方の床につけ、くの字になる
- 足踏みをするイメージで、両足のつま先は床につけたまま右足の片膝を軽く曲げる
- 左足は、かかとを床につけるイメージでふくらはぎを伸ばす
- 左右交互に10回行う
体をくの字にする際、背中が丸くならないように意識すると、まっすぐに伸びた正しい姿勢を保ちやすくなります。
体が硬くてかかとが床につかなくても、できる範囲で行えば問題ありません。続けていくうちに徐々に柔軟性が増して、できるようになります。
上腕三頭筋のストレッチ
上腕三頭筋をストレッチすると、固まった筋肉が緩んでゆがんだ姿勢を正せるようになります。
やり方は、以下のとおりです。
- 両手を上げ、手のひらが背中につくイメージで右腕を頭の後ろで曲げる
- 曲げた右腕の肘を左手で頭側に寄せるように下に押す
- 左右30秒ずつ行う
上腕三頭筋のストレッチで肩甲骨周りの筋肉もほぐれるので、スイングしたときの捻転がしやすくなります。
ゴルフの飛距離を伸ばしたいなら筋トレをしましょう
ゴルフの飛距離を伸ばしたいなら、筋トレを行うのが有効です。
ただし、効率よく筋トレをするには、損傷した筋肉の修復期間を考慮したり、鍛えすぎないほうがいい筋肉を把握したりすることが必要です。
必要な筋肉に効果がある筋トレを継続すれば、スイングをしたときやラウンドに出たときに、今までと違う手ごたえを感じるようになります。
適度な休息と正しい筋トレを行い、ゴルフの飛距離を伸ばしていきましょう。
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