アウトサイドインの原因と直し方!実は悪くない?矯正のポイントを解説
ゴルフのスイング軌道の一つであるアウトサイドイン。
「アウトサイドインは直したほうがいい」
「いやいやアウトサイドインは悪くない」
このような両方の説があって「結局、アウトサイドインは悪いの?良いの?」と思っていませんか?
実はどちらの意見もあっているので、アウトサイドインは上手に付き合うことが大切です。
この記事ではアウトサイドインの原因と直し方を紹介します。アウトサイドインで困っている方はぜひご覧ください。
アウトサイドインとは?
ゴルフのスイング軌道には以下の3つがあります。
- インサイドイン
- アウトサイドイン
- インサイドアウト
アウトサイドインは、ダウンスイングのときにボールと目標を結んだラインの外側からクラブヘッドが下りてきて、インパクト後は飛球線の内側へ抜けていくスイング軌道です。
ボールの外側からクラブがあたるので右回転がかかり、結果スライス系の打球になります。「カット打ち」「手打ち」「こすり打ち」とも呼ばれ、アマチュアゴルファーに多いです。
アウトサイドインが悪いとされる理由
アウトサイドインは悪くないという意見もありますが、アマチュアゴルファーにとってはミスショットを招きやすいスイングとなります。
具体的には以下の4つのミスショットが多いです。
- スライスしやすい
- チーピンになりやすい
- シャンクしやすい
- ダフリやすい
順番に詳しく解説していきます。
スライスしやすい
スライスとは、右利きの人の場合はボールが右に、左利きの人はボールが左にいってしまう球筋のことです。
アウトサイドインのスイング軌道でボールを打つと、打球にスライス回転がかかり、インパクト後にボールが右に(右利きの場合)逃げていってしまいます。
ボールが曲がってしまうということは、ボールが真っ直ぐ飛んだ場合よりも飛距離のロスが出てしまうので、スライスが多いとスコアが伸びにくくなってしまいます。
チーピンになりやすい
チーピンとは、インパクト後のボールが急に左方向に曲がってしまう球筋のことをいいます。インパクトの瞬間にフェースが閉じていると、チーピンが起こりやすくなります。
「ボールをつかまえよう」「大きく飛ばしたい」という気持ちになると、上体がかぶってアウトサイドインになり、ボールが左方向へいきやすいです。
気持ちが強すぎると姿勢に影響するので、あまり「大きく飛ばそう」とは思わずに姿勢を意識したスイングができるようになるといいでしょう。
シャンクしやすい
シャンクは打ち出された瞬間に右にいってしまうミスショットのことです。
右に飛んでいってしまう点はスライスと同じですが、シャンクの場合は思いもよらない角度で右に飛んでいくのが特徴となります。
インパクト時にクラブのネック部分でボールを打っていることが原因です。ネック部分でボールを打つとボールの左端を打つことになるため、右に曲がってしまいます。
ダフリやすい
ダフリはスイング時の最下点がボールの手前になることで、ボールに触れる前にクラブヘッドで地面を叩いてしまうミスショットです。
正確なスイングならボールがクラブのエネルギーを吸収して大きく飛んでいきますが、地面を叩いてしまうとスイングのエネルギーが地面に吸収されるのでボールは飛びません。
右利きの人は右手に力が入りやすく、右手に必要以上の力が入りやすいです。
右手に必要以上の力が入ると右肩が下がってダフリの原因となりやすいので、力が入りすぎないように注意しましょう。
アウトサイドインは悪くない?正しい?
アウトサイドインで打つとミスショットが起こったり、飛距離が伸びにくかったりするので、直すべきだと思う人もいるでしょう。
しかし、積極的に使うプロゴルファーもいるので、一概に悪いわけではありません。
アウトサイドインは、正しく使えればフェースや打球の方向性をコントロールできるというメリットがあります。
たとえば、アプローチショットではインサイドにスイングするのではなくアウトサイドインで打てば、スピンのきいた打球になるので狙った場所に落としやすいです。
アウトサイドインの特徴を理解して、場面に合わせて使えるようになるといいでしょう。
といっても、アマチュアゴルファーが最初からアウトサイドインを使いこなすのは難しいので、まずは正確なスイングでボールを打てるようになるのが先決です。
正確なスイングでボールを打てるようになったら、武器の一つとして意図的にアウトサイドインを打つことにチャレンジしてみるといいでしょう。
アウトサイドインの原因
アウトサイドインになる原因は一つではありません。人によって違いますが、主な原因として以下の5つが考えられます。
- 下半身が使えていない
- アドレスで状態が開いている
- フェースが開いている
- 左ひじが曲がっている
- 捻転不足
一つひとつ解説していきます。
下半身が使えていない
アウトサイドインになってしまうよくある原因の一つは、下半身が使えていないことです。下半身を使わずに上半身だけで打とうとすると、手打ちになってしまいます。
手打ちとはスイング時に腕や腰の回転をせずに、手や手首だけでショットを打つことです。
また、クラブヘッドのボールにあてようと意識しすぎると、ダウンスイングで右肩が前に出てしまい、その勢いで顔が左に左腰が後ろに動いてしまいます。
そうすると下半身がうまく使えず、クラブの動きが外側から内側に入る軌道で打つことになってしまいます。
アドレスで上体が開いている
アドレスで上体が開いていることも、アウトサイドインになる原因の一つです。正しい姿勢をとっているつもりでも、上体が開いていることがあります。
アドレスの正しい姿勢は、前傾姿勢であるけれども背中をピンと伸ばして腰から後頭部までが一直線になっている状態です。そして、ボールと目標を結ぶ線に体が平行になるようにします。
スイングする際に腕が胴から離れたり、脇が開いたりしてしまう人は、腕は胴から離れないようにして両脇もしっかりと締めましょう。
フェースが開いている
ゴルフクラブのヘッドの打球面(ボールと接する部分)であるフェースが開いている場合もアウトサイドインになりやすいです。
フェースはインパクトの瞬間に飛ばしたい方向に真っ直ぐ向いている状態が理想ですが、インパクトの瞬間にフェースが開いていると、ボールに横の回転がかかってしまいスライスの原因となります。
フェースが開いてしまう原因としては、ウィークグリップが多いです。
フェースが開きやすい方は、グリップの仕方を変えたり、両肩と両腕でできる三角形が崩れないように固定したりすることを意識しましょう。
左ひじが曲がっている
左ひじが曲がっていると、ボールを正確に捉えられずアウトサイドインの軌道になってしまいます。
左ひじを曲げずにテークバックし、そのままトップでも左ひじが曲がらない状態をキープしましょう。
左ひじを伸ばした状態でスイングできると体の回転がスムーズになり、バランスのいいショットが打てるようになります。
捻転不足
最後にアウトサイドインになる原因として多いのが、上半身の捻転不足です。
上半身の捻りが甘いと、バックスイング時に腕だけでスイングすることになってしまいます。
テイクバックの際に、自分では捻転しているつもりでも実は手だけが上がっている状態という方は多いです。お腹をねじって右に向けるという意識をもつといいでしょう。
ドライバーだけがアウトサイドインになる原因
「アイアンではアウトサイドインにならないのに、ドライバーだけがアウトサイドインになってしまう……」という人は少なくありません。
ドライバーだけがアウトサイドインになる場合は、アドレスが正しい姿勢になっているか確認してみてください。
飛球線に対して両足と両肩のラインが平行になっていることが大切ですが、意外と肩が左を向いていることがあります。
そうすると、スイングの軌道も外から内側に入るアウトサイドインになりやすいので、アドレスしたときの肩の向きが両足と平行になるように意識してみましょう。
アウトサイドインの直し方
アウトサイドインを直したい方は、以下の5つの方法がおすすめです。
- グリップを見直す
- アドレスを見直す
- バックスイングを見直す
- ハーフショットを練習する
- ボールを2球使う
一つずつ具体的な方法を解説します。
グリップを見直す
アウトサイドインを直したいなら、まずはグリップを見直しましょう。アウトサイドインになりやすい人は、グリップがウィークグリップになっていることが多いです。
ウィークグリップはゴルフクラブの握り方の一種で、左手で浅くグリップを持つ握り方のことをいいます。
この握り方だとアウトサイドインになりやすいので、正面から見ると左手の甲がほとんど見えるほどの握り方になるストロンググリップにしてみるといいでしょう。
アドレスを見直す
アドレスを見直すこともアウトサイドインの矯正につながります。
自分のアドレスを鏡で見たり、動画に撮ってもらったりするといいでしょう。意外と自分が思っている構えができていないことに気づけます。
飛球線に対して両足と両肩のラインが平行になっていることが大事です。
バックスイングを見直す
バックスイング時に上半身をきちんと捻られているかも見直してみてください。意識的には捻りすぎかというくらい深く捻り、できれば90度以上捻られていればOKです。
そして、そのまま捻転を崩さずに左足へ体重移動します。右手に力が入りすぎると、両肩両腕で作った三角形が崩れてクラブがかぶってしまうので、力が入りすぎないようにしましょう。
両脇をしっかり締めて開かないようにすることも大切です。
ハーフショットを練習する
フルショットの約半分の振り幅で打つハーフショットの練習をすることもおすすめです。
もちろん、飛距離はフルショットほど伸びませんが、体のコントロールの練習になります。
ハーフショットだと手だけで打てるような感覚になりますが、全身を使った正しい姿勢で打つことが大切です。
ボールを2球使う
ボールを2球同時に打つ練習もアウトサイドインの矯正に役立ちます。
具体的な練習方法としては、まずクラブのトゥ側とヒール側にボールを置いて2個同時に打ちます。
このときどちらのボールも目標に向かってまっすぐ飛んでいけば、スイングの軌道もフェースも正しくできているといえます。
最初からフルショットで打とうとすると難しいので、初めはハーフショットから練習するのがおすすめです。
アウトサイドインの矯正器具もある
アウトサイドインを直すための矯正器具もあります。
先ほど紹介したアウトサイドインの直し方を試してもうまくいかない方は、矯正器具を使ってみるという方法もあります。
矯正器具の種類は大きく分けて以下のような器具があります。
- 正しいスイングの軌道を身につける器具
- 手首やひじの曲がりを直す器具
- 腕と体が同調する動きを身につける器具
ほかにも、ミート率を測る器具やスライスやフックを抑制するスティック、スライスを防ぐ特殊なティー、スイング時の横ブレが起こりにくくなるインソールなどのグッズもあります。
アウトサイドインになってしまう原因は人それぞれです。
そのため、まずは自分がどのような理由でアウトサイドインになってしまうのかを知り、その原因を解決できる矯正器具を選ぶようにしましょう。
コーチやスクールを利用するのもおすすめ
アウトサイドインを直すために自主練をするのもいいですが、手っ取り早く正確にうまくなりたいなら、コーチに教えてもらったり、スクールへ通ったりするのもおすすめです。
とくに初心者の場合は、自分の悪いところを客観的に見るのが難しいので、自主練のみでは矯正に時間がかかるかもしれません。
スクールに通えばプロに見てもらえるので、あなたにぴったりなアウトサイドインの矯正方法を教えてもらえますし、アウトサイドイン以外のことに対してもアドバイスをもらえます。
アウトサイドインを矯正できればボールの飛距離が伸びますし、ミスショットも大幅に減らせます。
ゴルフもさらに楽しくなるはずですので、ぜひコーチやスクールの利用も検討してみてくださいね。
アウトサイドインと上手に付き合おう
アウトサイドインでミスショットが続くと自信がなくなってしまいますよね。
しかし、アウトサイドインは直せますので、今回紹介した直し方を参考にしてぜひ練習してみてください。
アウトサイドインは悪い面だけでなく良い面もあります。上手に使えるようになれば、ボールの方向をコントロールすることもできます。
アウトサイドインをマスターできたらアプローチショットでも使えるので、状況に応じて使えるように上手に付き合っていきましょう。
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